闇金業者と過払い金2
総量規制が日本経済に与えるインパクトとは!?
総量規制は、闇金問題以上に、より大きな影響を日本経済に与える可能性があると、阿部氏は指摘しています。
内閣府の発表によると、日本国民が1年間に買い物をする金額の総額である家計最終消費支出は、約280兆円だと言いますが、
一方で、クレジット産業協会の発表によると、消費者金融や信販カードのキャッシングによる利用額は約28兆円だそうです。
これは、日本人の財布の中身の10%は、紛れもなくキャッシングで借りたお金である、ということが言えるのです。また、日本貸金業協会の平成20年度白書によると、大手貸金業者の半数が、現在の利用者の60%以上が総量規制に抵触するために、貸出を抑制すると回答しています。
信用供与額約28兆円の60%は、約16兆円です。
仮に、1人当たりの平均借入総額を200万円と想定した場合、約840万人の家計から約16兆円のお金が吸い取られてしまうという計算になるのです。
840万人といえば、働いている人の約8人に1人ということなので、これはものすごい数字だと思いませんか?
特に、貸金業者の利用者の多くには、年収300万円台の貯蓄の少ない人々が多く対象となっています。総額2兆円の定額給付金をバラまいて喜ばしておいたそのすぐあとに、今度は、年収300万円台の840万人の人々から、それも1人あたり100万円ずつ、合計で16兆円ものお金を貸しはがしするのと同じ意味なのではないでしょうか?
もちろん借金をして家計をまかなっていること自体がおかしい事であり、だから総量規制すべきだというのも、もっともな意見だと思いますが、だからと言って、840万人もの人々の家計を破たんさせかねないような政策が、本当にベストな政策と言えるのでしょうか。
もう少し家計がソフトランディングできるような規制の方法や、大規模なセーフティネットの準備を検討すべきなのではないでしょうか?
確かに、借金に苦しむ多重債務者を減らすために、抑止力も必要だとは思いますが、日々自転車操業で生活しているような人々が、いきなり頼みの綱を切られたとしたら‥‥。これでは、日本経済に急ブレーキがかかるのは必至だと思います。
今回の総量規制に対し、我々がしなければならない事というのは、単にイメージだけでヤミ金業者を糾弾するのではなく、それよりも、消費者金融の一般利用者の声を出来るだけ分析し、なおかつ、来るべき事態に備えることではないでしょうか。
阿部亮
'76年北海道生まれ。19歳で世界を1周、20以上の職を転々とする。現在、司法書士法人新宿事務所所長。ホームページ検索は「司法書士法人新宿事務所」。
金融庁の一本勝ち!!
来年6月施行予定の総量規制を機に、いよいよ闇金バブルの始まりかとも思われたが、さにあらず!
問題は、真綿で840万人の首をジワジワしめる可能性があるにも関わらず、総量規制を実施せざるを得ない日本国民のモラルの低下 (!?) だったようです。
